TOTO その6
書きたいことはいっぱいあるのですが、とりあえず、僕がいままで見たライブのなかではベストのひとつであると言えます。
演奏曲は事前に確認しておいたTOTOセットリストとほぼ一緒だったと思います。なので、付け焼刃的にした予習でも、かなり対応できました。
僕はこのなかでも"Isolation"という曲に相当入れ込んでいたので、実際にライブで始まったときは、もうたまりませんでした。間奏が始まるところで次の曲に移ってしまいましたが・・・。
ドラムの件、サイモン・フィリップスはかなり上手いと思いました。スネアのタイミングと音が最高です。あと、ダイナミクスの使い方が絶妙だなぁとおもいました。これは他のメンバーも同様で、CDでは分かりにくい演奏の強弱が確認できて、非常に立体的な音体験ができて満足でしたし、また自分の演奏の勉強にもなりました。
サイモン・フィリップスはどちらかというとロック曲が得意なのか、ハード・ロッキンな曲で、いままで見たハードロックドラマーのほとんどとは比較にならないほどの心地よさを感じました。たしかに"Rosanna"はCDとは違って聞こえましたが、それは、この音を省略しているからだとか具体的に指摘できるほどでもないので、思い込みかもしれません。
それから、ベース。まったくノー・マークだった、マイク・ポーカロ。この人もほんとうによかったです。
僕は、ライブに行くといえば、ハード・ロックやメタルのアーティストのものがほとんどなのですが、そのライブにおいては、ベースの音は、他の楽器に埋もれていたりするのが常です。
そうすると音に厚みを加えるのに役立っているぐらいのケースが多いので、ライブは大体そういうものかとも思っていましたが、彼らは違いました。どの音を弾いているのかだけでなく、楽器そのものの音の良さ(鳴りとでもいうのでしょうか)も判別できましたし、本人の演奏もとても優れたものでした。
僕がマイク、うまいわぁと思った具体例。
いわゆる8ビートの普通のロック・パターンの曲では、ベースは曲のスピード感を表現するため、例えばコードCならルートとなるCの音を、ひたすらダダダダダと弾くだけというのがよくあります。
で、これはとても単純なのですが、マイク・ポーカロは細かい音の粒が揃っており(つまり、音の強弱が一定)、また一音一音の音符の長さも一定であるため、とてもキレがよく、いいグルーブが感じられました。
とてもシンプルで寝てても弾くだけなら弾けそうなベース・ラインです。でも、弾く人によって、やっぱり違いはありますね。
いままで見たハードロックやメタル系のベース・プレイヤーは、マイクほどにはいい感じでもないので、あぁ、やっぱスタジオ・ミュージシャンだなぁと思いましたし、自分の目指す方向の音でもあり、いい刺激になりました。
席が良かったのもありますが、各楽器のバランスのよさも今まで見たライブのなかでも最高の部類に入るものでしたし、視覚面でもよかったです。ライティングがカッコよかったし、スクリーンにもいろいろな映像が流されていまして、これはちょっとDream Theaterと同じ感じでした。
サポートメンバーのギターの人がカッコよくて、また歌もメインで一曲歌ってこれも上手く、もう何曲か歌って欲しかったところです。
上手い人の演奏をいくら指を眺めたところで、吸収できなそうだなぁと思い、むしろリズムのノリ方などを観察していましたが、小発見をしました。リズムをとるため、僕は拍の頭で、首をお辞儀の方向に振るのですが、マイク・ポーカロは逆に拍の頭で首を後ろに引っ張り上げ、拍の裏でお辞儀の方向に下げていました。
ポピュラー音楽では拍の裏を強調しないといけないのですが、日本人のリズムの取り方は表を強調しているので、その辺で本家と微妙に違いがあるといわれていたりしましたが(最近はそうでもないのかなぁ)、僕はもろにその口で、裏が弱いのです。で、そもそもリズムの取り方からして彼らとは違うのかぁということが発見でしたので、今後は逆にリズムとってみようかな、と思いました。とはいえ、メタルの首振りは表拍だし、やっぱ僕はメタラとして自然なだけかなぁというところでしょうか。(どちらにしても僕は首が悪いのでそんなに激しくは振りませんが。)
あとは、彼らも人の子、演奏が破綻しかけるところがたまにあり、すこしホッとしました。それも新曲だけで、古い曲に関してはそういうことはなかったと思います。もし、あまりにも完璧だったら、僕はベースを弾くのを止めるところでした。
そうはいっても、バンドが一体となって今風ロックのヘビーなリフを演奏する場面などはそこらのメタルバンドよりもヘビーです。それは、リズムのキレなどによると思いますが、せいぜい、マイクが5弦ベースを使っているぐらいですし、彼らはメタルバンドではないので、そんなにヘビーにこだわっている感じでもありませんが、リズムを合わせるべきところがボーカルも含め、完璧なので、休符との落差が激しく、とてもヘビーというか重厚感満点に感じました。
あと、退屈な時間がなく、ライブとしてもとても楽しく、また、CDで聞いていてなんでこんな曲やるんだろうと、随分つまらなく感じていたものが、ライブだと、あぁこの曲いい曲じゃないか!っていう風に感じられたのもすごいことだと思います。
いやぁ、以前に見たテクニカルを売りにするあのバンドやそのバンドよりも上手いしライブが楽しいと感じました。さすがですね。TOTOの大ファンになりましたぁ〜。まだ何回か来日を見られそうな気がするのでいまから次のアルバムとライブが楽しみです。いやぁ、最初はチケット大枚はたいてとりあえず買っちゃったけど、聞いてみたらあまりTOTOは好きじゃないみたいだし、どうしようなんて思ってたことをTOTOとそのファンに申し訳なく思います。よかった、よかった。
フォーリング・イン・ビトゥイーン




