ハービー・ハンコック-Maiden Voyage
僕はハービー・ハンコックの現在の活動についても、それから今までの活動についてもほとんど知らないのですが、今回あえて、古い『処女航海』というアルバムについて、最近良く聞いていてとても気に入っているので書いてみたいと思います。
このアルバムは、昔、ジャズに興味を持った頃にガイドブックを見て買ったのです。しかしながら、当時はあまり楽しめずにとりあえず持っているだけでした。買ったのはもう10年前ぐらいですが、あまり聞いていなかったわけです。
しかし僕も歳を取り、こういった落ち着いた音楽もだいぶ楽しめるようになってきたのか、最近とても気に入っています。
このアルバムはメタル界でいうところのコンセプト・アルバムというやつなんだと思いますが、タイトルがMaiden Voyage(邦題によれば、処女航海、つまり建造された船の初めての航海)、1曲目が同タイトル、2曲目がThe Eye Of The Hurricane、最後の曲がDolphin Danceという具合に、海にまつわるタイトルです。巨大な船を想像しながら聞いていましたが、ジャケをみるとどうもヨットみたいな感じなのでしょうか。
しかし、これは歌なしのJazzですので歌詞で語ることはありません。
それなのに、ちゃんと海の光景が浮かんできます。
1曲目は、タイトル曲で、初めての航海に臨む嵐の前の静けさ、希望、不安というようなものが表現されているように感じます。
この曲は当時の流行りであろう、モードで展開させていく曲なんだそうです。僕が所有しているジャズ・インプロヴァイジングの教則本には、モードだから初心者にはやりやすい曲だと紹介されています。(ちなみに、上級者にとってはモードは難しいんだそうです。ありきたりをどう克服するかというテーマが待ち構えているからだそうですが)
2曲目'The Eye Of The Hurricane'。これはハリケーンというイメージそのままの激しくてカッコいいイントロで始まります。メタル耳的にもうれしい緊張感のある本当にカッコいいテーマ・メロディです。トランペットとサックスが一丸となってこのメロディを演奏するのが圧巻です。それから各者のソロもそれを引き継いで緊張感のあるソロを展開していまして、ハリケーンの恐怖・激しさを物語っているように感じます。(台風の目は穏やかになるはずですがハリケーンのそれはそうでもないのでしょうか。あるいは本当は穏やかさを表しているのに僕が緊張感を感じているだけかな)
最後のDolphin Danceはとても穏やかな曲で、さまざまな困難を乗り越えた船がイルカの雄大な泳ぎをみながら、穏やかに静まった海を進む船、もうじき港だ〜というイメージが浮かびます。やったぁ、よかったねぇというようなそんな雰囲気があります。
そんなわけで、ハービー・ハンコックのアルバムはこれしかもっていないのですが、僕はきっと作曲者としてこの人が好きなのかもしれません。このアルバムは全曲オリジナルです。
恐らく、彼のキャリアでも傑作の1枚に挙げられるのだと思いますが、好きになるまでに10年かかりました〜。
一方で同時期に買ったChick Corea『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』はいまだに僕はダメ。全然わかんないです。こっちはさらに10年かかるかも。
僕は10年前ぐらいのその頃は、メタルから離れてジャズを、しかもわけもわからず、とりあえずピアノ・トリオ物ばっかり買っていたんでした。そう言えば。
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